贔屓

白い子猫がふうらりふらりと尻尾を揺らして歩いています。
家々の塀の上を散歩。
子猫は綺麗な毛並みで美しい。
子猫は行く先に、自分と同じくらいの大きさの黒猫を見つけました。
盲目の黒猫はみすぼらしいボサボサの毛並みので醜い。

邪魔だ!

白い子猫は黒猫に飛び掛りました。
そのままもみくちゃになり、黒猫の体を三回ほど噛みました。

野良猫め!

二匹の鳴声を聞いて、人間の女が駆けつけてきました。
手に持っていた竹箒で黒猫を叩きました。

かわいそうでしょ!

黒猫はよたりよたよたその場を後にしました。
白猫は優雅に毛繕いをして見送りました。