緑色の雨

「あ、雨。」

灰色の空からぽつぽつと雫が落ちる。

「僕、緑色が好き。雨が緑色だったらいいのに。」

「私、そんな変なのって嫌。」

すぐに慣れるよ。空気の色、今よりもっと良くなる。」

雨が止む。

「通り雨だったら?」

「小雨ならいいわ。」

「君って神様より偉そう。

少年は両手の指を絡めて目をつむる。

「私に祈っても雨は緑色にならないわ。」

少年は祈り続ける

雨が緑色になるまで。