蚊トリーヌ! きゃつは強かった。

四時くらいに、猛烈な痒みで目が覚めた。
しばしうつらうつらしながら肘を掻いていると、耳元にあの嫌な音が……。

ぷ…ん~……んんぅ~~~~ん。


蚊の野郎だわ。
刺されているのは体の右側のみ。
たぶん左側を下にして寝ていたから。
肘に三箇所、右手の薬指に二箇所、その他足などに数箇所。

蚊の野郎いけすかん。
とっちめてやる。
と言いながらも眠たいので横になったままでいると、挑発的に耳元を飛びゃがる。
だから耳を叩いたった。
はは、どうよ、ひとたまりもないやろうが。

ぷ…ん~……んんぅ~~~~ん。

まだ生きていた。
ただ自分の耳にダメージがあっただけ。
くぅ~、憎い奴だ。
頭に布団を被って、ガードしちゃる。
所詮虫けらだ、これじゃあきゃつも手出しできまい。

ぷ…ん~……んんぅ~~~~ん。

しまった、きゃつも中に取り入れてしまったらしい。
しばし悶絶。
耳元で蚊トリーヌ(命名した)乱舞。
うぎゃあ! 
てんで僕、発狂のていで起き上がり、リビングのソファーで泣く泣く寝たってわけ。