制作日誌6

1月26日
前日に思いついたシンセのフレーズをひたすら練習して、やっと少し安定したので録音した。
柔らかいリード系のシンセにオートワウをキツめにかけて、少しとぼけたような音色でコードを分解してアルペジオで弾いたようなリフ。
アナログパッドにフェイザーをかけて、シンプルなベースとシンプルな単音パッドで少ない音数でコード感を出すようにしてすっきりしたオケを心がける。(あとから遊ぶ余地を残すため)

ベースのアイデアがどんどん沸いて、難しいことはしてないのに展開が多くなった。

2月2日
新曲「ウノメ・タカノメ」のリズムパートをFLstudioで打ち込む。
休憩込みで7時間かかった。
出来上がったものを何度かいじりなおして、自分的には執着して詰めることができたのが嬉しかった。
過集中のような、ちょっと偏執的な日だった。

ハイハットのピッチの上下を利用して、タブラのようにうねるハイハットにパンを流れるように振ってみた。
意図的にハイハットの量が間引かれたりする箇所で硬い質感が出たのがよかった。
前回(だったん人の踊り)同様、808のカウベルにファズとリバーブをかけたものも使用。
909のキットを混ぜたり、表ノリの16ビートからシャッフルの8ビートに急激に変えてテンポを変えずにガクッとさせてみる試みもしてみた。
曲は終始BPM110なのに新しく追加したイントロはBPM125にして、ディレイのタイムでゆるやかに110のテンポにバトンタッチする試みもした。
思いついたことを(時間はかかるけど)DAWで試せるのが本当に楽しい。

2月3日
「ウノメ・タカノメ」のイントロの素材を録音してきた。
素材を並べ、パン、リバーブ、ディレイ、ボリュームなどをじっくりいじる。
イントロからまた別のイントロへ「さっきのはなんやねん」と言いたくなるようなバカバカしいものができた。
後日、ピアノとビブラホンを足して、トランペットとボーカルを録音したらだいたい完成。

「鵜の目鷹の目」は「重箱の隅をつつく」のような、揚げ足取り、粗探しの文脈で使われることが多い慣用句。
しかし、この歌の場合ではポジティブな意味で使っていく。
ポジティブというか、夢の世界を能動的に観察して味わい尽くそうとする貪欲な意志の象徴として使いたい。

話は変わり、2月5日(火)に渋谷dimensionでイベントに出せてもらえる。
そのための新規コーラス録音や曲の編集も完了した。
出番は21時からと遅めにしてもらったので、声をかけてくれた人以外も来てくれることを願う。
今作ってるアルバムの空気はいったん忘れて、とてもカラッとはじけた楽しいライブにします。