暑中見舞いと遺書

7月の熱い日、友達が富士山の方へ行くと言った。
東京で俺は友の帰りをメールで聞いてみた。
しかし返事はなかった。
後日遺族から友の遺書が届いた。
どれどれ………。
 
「前略 親しい友人のあなたへ暑中お見舞い申し上げます。
この手紙が届くころには僕は樹海で首を吊ってると思います。
そうそう、いつ届くかという内容のメールが届いていました。
樹海で気づいたもので、樹海が圏外のようで返事が出せませんでした。
すぐにお返事を出せばよかったのですが………。
だから今ここにお返事を暑中お見舞いと共に添えておきます。
私はお盆あたりに帰ると思います。 後略」

だそうだ。
お盆、ね。
きゅうりに割り箸でも刺して迎えてやるか。