朝の満員電車は鬱病患者でいっぱい

あ~いるいるいる。
いっぱいいるわ。
あの人、あの人、んで多分あの人も。
誰に対して演技してんのかね。
「鬱だわぁ………………」って三点リーダー多めの独白を聞いて欲しくてたまらなそうなその顔。
うんざりするようにどんよりと曇って。

大体において、ちょっとしたイラつきが原因で、本当の鬱ではない。
いや、ややや、心理学とかそういう話をしているんではないです。
うん。
ただ、人の「頑張るぞい!」ってな気分をどんよりと阻害するあの表情は許せん。
こう、ぎゅっと眉間に皺を寄せて、目もかちっと瞑って。
バッグが人に当たるのお構いなしで、担ぎなおして咳き込んで。
電車がトラブルで止まるとあからさまな溜息と独り言。
聞こえちゃったら嫌だからやめといてくれ。
無意味だわ。

こう、朝の満員電車で苛々する心はよくわかるけど、僕はもっと明るくいたいのだ。
ウキウキとするBGMを流したらどうだろう?
あと広告を一切排除して、そこに何か漫画描くとか(4コマがいいね)。
痴漢が嫌なら、銭湯みたいに、男車両と女車両みたいに分けてみるとか。
音漏れがイラツクって人がいるだろうから、全面音楽禁止ってのは?
僕は耳栓してんだけどね、こりゃ音漏れしてないかどうかって緊張しなくていいね。
夏は暑くてかなわないから、吊り革と吊り革の間に風鈴垂らして、冬は暖房が強すぎるといけないから、調査員として駅員が一人紛れ込んで、逐一快適な温度に保てるようリモコンで温度調節したり。

まぁ、そうやって鬱病患者(の演技してる人たち)のために鉄道会社がややこしい手間かけるのは可哀相だから、黙って耐えてればいいのだ。
そしてその険しい顔はやめればいいのだ。
ぶつかったらごめんなさいと言えばいいのだ。
乗る人は降りる人のためにちょっと道開けて待てばいいのだ。

鬱病患者の振りしてたら、鬱病になってた、じゃあ笑えん。
あんたらみんな歩きなさい。