スピード

「君に会いたい」ということは悪くない、けど
「君に会いたい」と言うことは少し悪い


もうなくて
まだなくて
今があった(既に過去形で語られる現在、重要なのはスピードなんだ。しっかり腕時計にしがみつけ)


「君」って誰だ
「僕」は僕だ
「あなた」って誰だ
お前の書く「あなた」って誰で「お前」って誰だ


重要なのはスピードなんだ。 しっかり腕時計にしがみつけ
何よりスピードが重要なんだ。 しっかり腕時計を睨んでいて


付和雷同とか そういう つまらない言葉で 他人を 見下して いったい 何が 楽しい んだ
自分のスピードを保ったまま 好きな言葉で 歩いてほしいから こう言う


世界と言葉の世界と二つの世界があって行き来できるのは人間だけ
たしかに僕には「今」しかない
言葉の世界ではそうなっている


攻撃的なサンバを踊りたい
なんの比喩でもなく仮面を脱ぎ去って踊りたい
あとはワルツも踊りたい
最初は見よう見まねでもいいけど、慣れたら好き勝手に踊らせて
君の書く「君」が誰か僕がわかるまで
また僕が書く「君」が君だと君がわかるまで
それでも答が出ないんなら窓辺に置いてるサボテンの花が咲くまできっと踊ろう


スピード
スピード
もっとゆっくり速度を上げて もっと素早く立ち止まって
「だって」も「だから」もいらないから取り合えずスピードを上げて
スピード
スピード
停滞してないで懐古してないで 壊さないで無くさないで スピード上げて





ぜんたーい 止まれっ! ピッピッ! 解散!