#詩
君は毎夜、月の形を確認しているかな 全ての人間が夜空を見上げるのを忘れてしまった夜に、月は丸まった胎児の形をしているんだ 僕は死ぬ間際に見てしまったんだ、夜空にくっきり浮かんだ光る胎児と目があったんだ ゆっくりと天体の運動は秩序をもって進行す…
夜の一里塚の時間 結婚式の招待状が届いた 「ご」を二重線で消す 「ご」を二重線で消す 朝の一里塚の時間 手引きに従い家を飛び出た ギアを倍にして漕ぐ ギアを倍にして漕ぐ 濃紺の空に鋭い月 夜の一里塚の時間 結婚式の招待状が届いた 「ご」を二重線で消す…
『ニュータウン』 一寸先闇 足を取られて タンポポになっても 咲き誇ろう 一寸先闇 手と手繋いで アサガオのように 育てられよう 人類がバリーンと砕けるような 広場で ニュータウンのゆがみは 増してくばかりで かんしゃく玉あいつに 投げつけてやろうか ア…
エネルギーの方向性 蛇行して ときに逆流する 正当性を欠いたマスに （それは）うずまいている エネルギーの質量は 書き換えを余儀なくされて 線上を行きかうマスに （それは）たくされすぎた どうでもいいことは どうでもよく 知らないことは 知らないまま…
荒涼とした地 立つ若者たち 昼を朝として コンパスを片手に アンドロイドの猫 光るアルミの瞳 カモメを師として 空を飽かず眺む （石bank）貯め込んだ苦難は （番）狂わせに使い （石bank）海辺に並ぶよ テトラポットの形で モノリスの家 潮風を割って 忠を…
20Ａ（アンペア）1500Ｗ（ワット） フラクタル構造の大小脳 ベロシティー127段階 JIS防水保護等級８級 エレキ・ヒューマノイド・KOTOY 互換性抜群 USB ギガバイトの会話を読みこんだ 純正マイク 出力はデバイス ブレないカメラ 絞りは自在 エレキ・ヒューマ…
階段がなく 人の登れぬ塔がある 壁面を登るのは 天道虫と蝸牛 塔に色を足していく 塔に色を足していく 風が吹く日もあったろう 雨が降る日もあったろう 流され落ちず 登っていく 壁を埋めよと増えていく 生命の怒涛が空を目指す 建築したのはヒトなのに 壁面…
裁きを受けた方がいいよ ときにそれは寒冷の地で働かされるような ときにそれは頸木（くびき）に繋がれるような ときにそれは欲望を矯められるような そういうタイプの裁きを 僕はそういうんじゃないと言う 私はちょっとイメージじゃない 俺はモアモアハピネ…
選ばれたわけじゃない 強いられたのでもない ただ突っ立っているだけ ただ遠くを見てるだけ 必要なわけじゃない 脅されたのでもない ただ突っ立っているだけ 心やすけくしたいだけ アトピーの薬を飲み テレビでメを悪くした 導かれたわけじゃない 思いこまれ…
掘り起こせ 汗をかけ 佇まいは美しく 散漫なる気を整え 深く突き刺せシャベルを 立ち上がれ 水を飲め 道徳にすがり潔く 萎える足を引き締めて 旱（カンッ）、と乾く土を愛せ 大乗の調べは厳めしくも優しくて 母よ父よと呼吸の度に奏でるのだ 掘れ 掘れ 軍手…
覆す Oh ブランニュー・デイ 甦る リ・バースデイ 鳴る祝祭のシンフォニー 塗り替える Oh ブランニュー・デイ 立ちあがる リ・バースデイ 疲れ知らずのパレード 大言海に寄りそって犬が吠える 踊り続ける人にそれはアイロニー 原始の海にマグマがうねる 君は…
人ん家の氷柱（つらら）で顔を洗い 朝靄で口をゆすいだ リップクリームで軽く朝食を摂り 霜柱を踏んでレクリエーションとした 僕の口笛で誰かが目を覚まし 苦い顔で「おはよう」と言うので 爽やかな朝はすぐにいつものやつになった
佳奈子ちゃんはゲッゲッゲと笑うので みんな気味悪がって近寄らない 佳奈子ちゃんはゲッゲッゲと笑うので 一緒にいてなんだか落ち着かない 「私たち細長いね」 「みんな細長いね」 「空を泳ぎたいね」 「アロアナみたいにね」 佳奈子ちゃんはゲッゲッゲと笑…
【金属ヶ丘の３人】 鉄くずの町の ３人は とっても仲良し 体に悪い煙を吸い込んで １９まで生きてきた。 １人、光を失った。 画家の卵だった。 筆を握りしめて、記憶の中の朝、思いだしてる。 鉄くずの町の 病院は いつでも繁盛で 真っ青な患者と針金のドク…
柔道放物線／ハイキング 電車に乗っていこうよ どこかトオイところへ 電車に乗っていこうよ どこか高いところへ 大きな橋を渡るなら 手を繋いで歩こうよ すぐに怖くなくなるさ 口笛を吹いて山登り 爽やかな水を飲もう 山肌燃え、深緑 山吹色の日傘 電車に乗…
君のことは好きなんだけれど 君の書く その下手くそな ポエムだけ 僕は嫌いさ 二人もっと寄りそって 二人もっと混ざりあって 二人もっと寄りそって 二人もっととろけあって 境界線がわからなくなる それは素敵さ とても素敵さ 君の体 とても好きなんだけれど…
間違いたくない ただそれだけ 間違って生きたくない ただそれだけ 正しくあれば淘汰されない ただそれだけ そうあれかし そうあれかし 間違いたくない ただそれだけ 従いたくない ただそれだけ そうあれかし そうあれかし 正しく生きれば幸せならば 間違えな…
犬になりたい 舌をたらしてしっぽを振って 主人について行く 夢になりたい 夜ごと出会って願われて 朝には忘れられる メトロノームになりたい 正確なリズムで時を寸断して ネジを巻かれて生きていく 漫画になりたい 目をハートにして花びらを散らして 君に恋…
【だから綺麗】 毒を持ったカエルは綺麗だろ 毒でしびれるキノコは綺麗だろ 虹に触れたら狂います 虹に触れたら狂います トゲのある花は綺麗だろ トゲで魅了する人は綺麗だろ 慈悲に触れたら狂います 慈悲に触れたら狂います 【眠らなくてもいいぜ】 何かが…
君の左、僕の右 僕は右利き 君は左利き 手を繋ぐとき とってもちょうどいい お話するとき 顔を見るとき 確認するとき 右にいる君 キスをするときも 嘘をつくときも 居心地いいのは左 おはよう ご機嫌どう？ さよなら おやすみ おはよう ご機嫌どう？ 今度ひ…
ひどいことをしてしまった 思いやりのないことを言ってしまった 晩飯は食ったけど とにかく気だるくなった その癇癪を押しつけて 目で見て耳で聞いた 手のしわの伸び縮みするように 怒ったり泣いたりしようよ 二度と笑えなくなる日のためにじゃなくて ただな…
何故だか僕らは裸になれない 怪我を怖がりプロテクターをつけ ヘルメットをつけて そのくせスケスケの下着を身につける 秘密にしておきたい弱点を いろんな人に知ってもらいたい しかし触られることには慣れておらず 痛い痛いとメガフォンで叫んでまわる あ…
女の子の気持ちを理解する それはきっと猫と会話するくらい難しい 猫に魚をあげてもきっとニャアと鳴いて可愛いだけ 女の子の気持ちを理解する それをすればどうなるのか 猫と会話ができる人は何をできるのか 女の子の好きな食べ物を 女の子の好きな音を 女…
１ 顔に触れる 手が触れる あたたかさを聞く 簡単には 測れない 複雑なぬくもり 平熱が混ざり合うのにそれより熱く ２ ボクのおなかはあったかいぞ 鳥やら犬やら おなかはあったかいぞ ボクのおなかでしもやけが治るぞ 冷たい指がほぐれてよくなるぞ ボクは…
暮らせる二人 一昨日書いたのが気に入ったので、昨日はスタジオに行って一人で録音してきました。 リズムマシーンを鳴らしっぱなしにしてるので、ドラムがずっと同じことしてるのが滑稽ですな。 関係ないけど、自分の声をハモらせるのは不気味な作業。楽しい…
私はフリーター 月収15万 彼はプー太郎で 同棲中 お金が全てじゃないけど 貧乏は辛いなぁなぁなぁ 宝くじでも当たればいいのにな 私はフリーター 時給850円 彼はプー太郎で 週休七日制 十年後のことなんかは 考えたくないなぁなぁなぁ 一億円でも落ちてりゃ…
あいつが電波を受信する いつものことさ いつものことさ みんながみんな 慣れっこで いつものことさ いつものことさ いつまでも慣れないのはあいつだけ ちょっと変わったやつだった でも世間に目を向けりゃあ そこらに溢れてる 普通のことさ 普通の人さ 電波…
カラフルな切手 噛みしめ始め イ草のたたみ 目の数かぞえ ヘルシー・オア・ノット・ヘルシー 歯の裏染めて 道徳の亡霊たちと 抱擁を交わして さよなら実在感 永遠王国の到来は 永遠監獄に酷似 居場所なき民 米粒かぞえ トゥー・ビー・オア・ノット・トゥー・…
真冬の切り裂くような 凍えるような そんな季節も必要だ あなたは土の中 カラカラに渇いて待っている 施設の縛られるような 並ばされるような そんな場所も必要だ あなたは檻（おり）の中 ギラギラと飢えて待っている いつでも素敵な夢を あなたは素敵な夢を
朝まで飲もうぜ 乾杯！ 若者たちに 乾杯！ 希望あふれて 乾杯！ グラスを満たせ 乾杯！ 欲望と熱 氷で薄めちゃ傍観者 暴飲するのはナンセンス 乾杯！ 若者たちに 乾杯！ 刹那に焦がれて 乾杯！ ふちまで濡らせ 乾杯！ 毒なファンキーさ 常温で飲めれば数寄者…
