2012-01-20 塔 #詩 階段がなく 人の登れぬ塔がある 壁面を登るのは 天道虫と蝸牛 塔に色を足していく 塔に色を足していく 風が吹く日もあったろう 雨が降る日もあったろう 流され落ちず 登っていく 壁を埋めよと増えていく 生命の怒涛が空を目指す 建築したのはヒトなのに 壁面を登るのは天道虫と蝸牛 建築したのはヒトなのに 色彩の喜びに大気は震え 建築したのはヒトなのに 静(し)ーんと立つのはだんだらの 建築したのはヒトなのに 人を忘れた塔がある 2011/12/14