Elephant Talk  byキング・クリムゾン


高校二年生だったとき、僕がキングクリムゾンの存在に完璧に惚れるきっかけになった曲です。
特にこの生演奏の動画を見てから、もう夢中になりました。



エレファント・トークは、81年の再結成の際に発表されたアルバム「Discipline(ディシプリン)」の頭に収録されています。
トニー・レヴィンという、スキンヘッドに口ひげを蓄えた長身の男がスティック・ベースという妖しい楽器を操るイントロから始まります。
フロントマンとして新生クリムゾンに迎えられたエイドリアン・ブリューがABC……と、それぞれの頭文字で始まる「言葉」に関する単語を並べていき、ときどき象の鳴き声のような音をギターで出す、という本当につかみどころのない曲です。

僕がこれを気に入った理由は、第一にブリュー氏のギターの使い方がカッコよかったところです!
当時の僕が見たことのない様々なテクニックを駆使して、笑顔で演奏する彼(額が後退しているけど)がとても魅力的に映ったのでした。
僕はこのバンドをライナーで「ギターのロバート・フリップがずっとリーダーを務めてきた」というのを読んだので、この先頭で陽気にしているアメリカ人がそのフリップなんだとずっと思っていた時期がありました。

しかし、後で知ったことですが、彼は古いクリムゾンファンからは当初かなり違和感のある存在で、なかなか受け入れられなかったようです。
それまでの荘厳で神秘的なイメージから、一気にファンキーなバンドに変貌したのは、フロントマンが彼だからだ、と。

あれ、じゃあリーダーどこ?
と思ったら、隅っこで椅子に座ってちまちまギターを弾いているおじさんがそうでした。
なんかソロも消え入るようなひょろ~っとした地味なもので、とてもリーダーには思えなかったものです。



ですが、↑この動画で彼のやっていることのすごさが伝わってからは、「リーダー!」と叫びたくなるような感じを彼に抱きました。
チマチマしてますが、彼がいないと、彼じゃないと、絶対にこのバンドではない、そういうのが鈍感な僕にもひしひしと伝わりました。



最近、またエレファント・トークiPodYoutubeで見たり聞いたりしてます。
フランク・ザッパやソロ活動など、色々な方向からエイドリアン・ブリューを観察した後に動画を見てみると、クリムゾンでの陽気な様子な彼のほんの一面なのかなぁと思いました。


「Elephant Talk

Talk, it's only talk
Arguments, agreements, advice, answers,
Articulate announcements
It's only talk

Talk, it's only talk
Babble, burble, banter, bicker bicker bicker
Brouhaha, balderdash, ballyhoo
It's only talk
Back talk

Talk talk talk, it's only talk
Comments, cliches, commentary, controversy
Chatter, chit-chat, chit-chat, chit-chat,
Conversation, contradiction, criticism
It's only talk
Cheap talk

Talk, talk, it's only talk
Debates, discussions
These are words with a D this time
Dialog, duologue, diatribe,
Dissention, declamation
Double talk, double talk

Talk, talk, it's all talk
Too much talk
Small talk
Talk that trash
Expressions, editorials, explanations, exclamations, exaggerations
It's all talk
Elephant talk, elephant talk, elephant talk



「ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ……無駄なおしゃべり」
「次は『D』から始まる言葉だ!」
などなどのなんともロックっぽくない歌詞(笑)

Talk」という単語が、「おしゃべり」や「無駄話」などと、ライナーでは訳されていて、そういうのもまた楽しかったです。