アーバンギャルドの少女都市計画

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※この写真は僕が撮影したものではありません。


11月14日、代官山UNITで行われた、アーバンギャルド初のワンマンライブを見に行きました。
誘ってくれたどぅん。は代官山駅の正面口で真っ黒な服装で座り込んで本を読んでいました。
僕はオレンジ色のコートを着て、なるべくわかりやすい恰好をしていたのですぐに合流。


合流してすぐに、僕が道を知らないこと、代官山という場所がおしゃれピープル(OP)の集まりでなんだか不安だということをカミングアウト。
どぅんは道をちゃんと調べていて、ライブ会場まで連れてってくれました。頼もしいぞ!

会場の前に列ができていて、整理番号順に人が並んでいました。
若い女の子ばかりで、みなさんセーラー服やロリータやパンクなどの文化的な意匠を凝らした服装でした。
中には、やっぱりおなじみの「あれ、ここは近所のコンビニじゃないよ?」的な服装のおっさんとかもいて安心しました。
ああいう人って、服装に自信のない人を励ますためにライブ会場に配属される雇われの人なんじゃないか、と時たま思います。

セーラー服の中学生(?)二人組に番号を聞いて、その前に並びました。
アーバンギャルドに関する話はほぼせずに、学校とか身の上話とかしてたと思います。






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開場の時間になり、列が進んでいざ入場。
CDについていた券を受付の人に渡すと、CD購入者の特典として、リストバンドがもらえました。
中に入ってロッカーに荷物を入れて階下へ進むと物販があったので、そこではアルバム「少女は二度死ぬ」のジャケットをプリントした缶バッジを購入。
もともとこのバンドを知るきっかけになったのは、このジャケットの絵を担当したイギリスのイラストレーター、トレヴァー・ブラウン氏のホームページなのです。とても嬉しいです。


しばらくはDJがピコピコと可愛い音楽を流したり喋ったりして時間を埋めていました。
まぁそのDJというのが装置メガネのサミーちゃんだったわけです。
あの人は性別とか年齢とか超越してました。サウンドはしっかりしていて聞き入っちゃいました。


やがて、ロックのライブのように会場が暗くなってステージ上にメンバーが一人ずつ登場するという演出でアーバンギャルド登場。

ここで先にセトリを↓(松永天馬さんのブログから拝借しました)

■第一部

OPSE「アーバンギャルドの前衛都市伝説」

01.恋をしに行く

「ひとりでやれ!何故なら今日はワンマンだからだ」

02.ベビーブーム

03.コンクリートガール

朗読「朗読なう」

04.東京生まれ

「ところで、ところで、ところで。あなたがたは生きる価値がない」

05.修正主義者(long ver.)

「病気ですか!デパスがあればなんでもできる」

06.都市夫は死ぬことにした

07.アニメーションソング

EDSE「東京は好き?或いは、愛を信じる?」



■幕間

08.浜崎容子&谷地村啓 少女のすべて

09.松永天馬&谷地村啓 都市は優しい



■第二部

OPSE「人間のための音楽、そしてザッピング」

10.水玉病

「安全日だけど気をつけろ!」


朗読「おいでよ童貞の森」

12.女の子戦争(long ver.)

「少女の王国、はじめました」

13.月へ行くつもりじゃなかった

14.ファッションパンクアイマス・とにせんP&めいろっくP ver.)

「リストバンドじゃないんですよ!リストカットバンドなんですよ!!」

15.ラヴクラフトの世界

16.四月戦争



■アンコール

「アンコールなう&ちょっといい話」

17.ロボットと私

18.セーラー服を脱がないで




大容量のライブでした!
実はなによりMCが楽しみだった僕は、かなり楽しめました。
MCで「お塩先生はMDMAなうでしたか? ラドクリフ君は魔法の草なうでしたか?」と、旬すぎる話題が出たのは面白かったです。
アーバンギャルドはMCがうまい、これが僕の中で固まった意見です(笑)

浜崎容子歌姫が、「少女のすべて」をピアノ伴奏でしっとりと歌ったのですが、好きな曲がもっと好きになりました。
こんないい曲書けるなら、もっと浜崎さんも曲書いてほしい、と思ったりします。

今回初めて生の松永天馬さんの声を聞いたのですが、けっこうライブを重ねているからか、歌が初期よりだいぶうまくなっていたような気がしました。
高音でシャウトするのも、外さないでしっかりシャウトしていてほほう、と偉そうにも感心してました。


新アルバムからの一曲「ラヴクラフトの世界」は、最初聞いたときは地味かな?っと思っていたのですが、ライブで聞いてみると、なんとも心に沁みる曲でした。
テクノポップはライブ向き、というのが僕の中で(ry


「四月戦争」を聞いているときに思ったことなのですが、今年で2000年代のいわゆるゼロ年代が終わるじゃないですか?
「昭和8X年」とか言われてずっと昭和が続くような日々でしたが、その場にいて、この曲を聞いて、なんだか安心して次の十年を迎えることができるような気がしました。
「70年代の音楽」「80年代の文化」などのように十年を単位として何かを語ることがあります、ゼロ年代アーバンギャルドがしっかりと終わらせてくれました。
ゼロ年代に結成して、2010年へのステップとなったアーバンギャルドの音楽、そういうぼんやりとしたことを「四月戦争」の盛り上がりの中で考えていました。




全体的なことを書きます。
お客さんたちが水玉模様の旗を振り回す様子が、後ろの方から見て壮観でした。
ステージの前の方はけっこう盛り上がっているのですが、中心の方から後ろになると、乗り方がわからず、様子見でノッているというお客さんが多かったです。
コールアンドレスポンスもけっこう探り探りだった印象。
しかし、それのおかげで純粋に音楽を感じることができたのもまた事実ですね。
CDではあまり注意して聞いてなかったのですが、瀬々信さんのギターはライブで聞くとかなりカッコよかったです。
これからはCDでもちょっと注意して聞こうと思いました。



ライブが終わり、興奮の体でロッカールームに戻ると、セーラー服を着た女性が煙草を吸っていて、普段なら絶対に見られない良いものを見れた! とまたもや興奮しました。
頼んで写真撮らせてもらえばよかった……。

文化的な意匠の服装の方々に交じって会場を後にすると、代官山はひんやりとしていて、コンクリートに街の地下で行われた秘密の初体験に参加した僕はステージの上で松永さんが語っていた光景の方がずっと真実味があるなぁと思いました。夢見がちくらいがちょうどいい!


渋谷に寄って、どぅんとマクドナルドで食事をしました。
けっこう話しこんだら、酸欠になってしまいました。
入店するときに、店の外に持ち運び可能な大きさのアンプとマイクが置いてあって、それが退店するときには店内に置かれていました。
興味本位でスイッチを入れたら、マイクがハウリングを起こしてきぃぃぃぃ~~んという音が響きました。
驚いてスイッチを切り、そそくさと店を出て、人ごみにまぎれて、仕事帰りの人々と一緒に電車に乗って家に帰って明日のことを考えながら眠りました。