誰がヒズミちゃんを笑えるか

薄荷の香りの香水つけて 学校にゃリムジン登校
不潔で清潔 まるでクリスティーナ・リッチのようだ
ラブレターなら三千枚 男子生徒の数より多い
彼女の制服一式がブルセラショップで六万円

特別きらりと輝く宝石 
あんた何さまの女子高生
わりかしいい気で鼻歌まじり
イラつかせたならごめんなさい

ヒズミちゃんは可愛いね でもヒズミちゃんはバカだね
ヒズミちゃんはバカだね でもヒズミちゃんは可愛いね

ちょっとおませな17歳


そんなヒズミちゃんの一番好きな 男はね
この世で一番愛してる 男はね
お父さん お父さん お父さん お父さんだよ 
そこらの男はお呼びじゃないってさ


発破かけられた高校生が 非実在ヒズミちゃんを探す
制服のリボンにつけておいた発信器も役には立たなかった
ラブレターの千切れた紙片が ヒズミちゃんの居場所を知らせる
フラれた三千人のヘンゼルが 悲しい道しるべに列をなす

缶切りつかって蓋を開けたら
小さな彼女がいたならいい
太らされて喰われる運命なら
メインディッシュになりたいな

ヒズミちゃんは可愛いね でも騙された奴も可愛いね
騙された奴はバカだね それに輪をかけて彼女もバカだ

わりと不気味な17歳


そんな男たちの一番好きな 女はね
この世で一番愛してる 女はね
ヒズミちゃん ヒズミちゃん ヒズミちゃん のお母さんだよ
そこにめっぽう弱いんだってさ

彼らの愛したヒズミちゃんからはイソジンのうがい薬の匂いがいつもしていたんだから笑えるね笑えるか笑えないよそんなこと!