電車の中の1ページ

今日、部活から帰るときに乗った電車で、酔っ払いのおじさんが座ってた人を無理やり立たせ、おばさんのとなりに座り自分の戦争体験談のようなものを語っていました。

僕はあいていた隣のもう一つの席に座り、話を聞こうとしましたが、いやそうに体をおじさんから遠ざけているおばさんにおばさんは夢中で話が聞こえません(近距離で話すのです)

おばさんが「じゃあここで降りるので………」と足早に電車を降りたあと、「兄ちゃん、ここ座れよ!おれの話聞かしてやるから」と立っていた人に呼びかけたのですが(満面の笑みで)、その人はいや、いいです、と断りました。

そこでシャシャり出てくるのが僕ですwwwww

隣に座っていた僕は、おじさんの肩をとんとん叩き「よかったら僕にその話聞かせてください」と興味本意で話しかけると、いいぜ、と快く話しはじめました。

当時10人家族の三男であったおじさんは、長男のおにいさんに勝手に軍への手続きを済まされていたようで、千葉にあった基地(?)に半年務めていたようです。
飛行機からパラシュートをつけて飛び降りる落下傘の訓練を受けていたようで、今の渋谷にいるような若者にも体験させてやりてぇ!ほど過酷だったそうです。
軍へ入るための検査に性病を検査する項目があったそうですが、その話を大声で話すので、前に座っていた女子高生は露骨にいやそうな顔をしていました。

おじさんが「自分は当時18歳だった時に童貞で包茎だった」という無駄なカミングアウトを終えた時、電車は用賀に近づいたので、「では僕はこれで。おじさんはどこで降りるんですか?」と降りる準備をしていると、おれぁ三軒茶屋だよ、ととっくに通り過ぎた駅名を口にしたので、用賀で一緒に降りて反対方面の電車に乗るようにはからってあげました。

おじさんは電車から降りて、反対側のホームへ行くための階段を上りながら「日本も将来徴兵みたいなのがまた行われるぞ、絶対」と言ったので、それは絶対ありえないとだけ言っときました。

おじさんににいちゃんみたいな真面目なやつがまだ日本にもいて安心した、日本も大丈夫だなと勝手に未来を託された僕は、酔いがまださめない真っ赤な顔のおじさんに手を振りながら、「あんなやつがまだ日本にいるんだな」と思いました。実際はたくさんいるんでしょうけど。