2010-01-19から1日間の記事一覧

小説『ちなみとちひろ』第六話

「いったーい」 床に膝から着地し、グラスの中のアイスティーを前方にぶちまけたクラスメイトは、いったんグラスを床に置き、うずくまりながら膝をさすっていた。私には背中を向けるような体勢だった。あー、とかいー、とか言いながら。 私とクラスメイトの…

時計の奴隷

僕の腕時計は、自動巻きと言って、中に埋め込まれている振り子が動くことでぜんまいが巻かれて稼働する機構を備えています。 よって、本体を動かさずに十数時間ほど放置すると、針の動きが止まってしまうんですな、これが。 止まってしまうとどうなるかとい…