銀行強盗(笑)

白昼、銀行のドアーが勢いよく開けられ、一人の男が拳銃を片手に入店した。

肩には大きな黒い革のバッグ。

「動くな(笑)」

「きゃー(笑)」

「ゆっくり手を上げて足をそろえろ(笑)」

「命だけは……(笑)」

「おら、このバッグにあるだけ詰めろ(笑)」

「はい(笑)」

「もしもし警察ですか(笑)」

「警察呼んでんじゃねえ(笑)」

銀行内に響き渡る銃声。

「痛いよー(笑)」

「警察だ(笑)」

「ちっ(笑)」

「お前はもう逃げられない、早く投降しろ(笑)」

「こいつの命が惜しかったら車用意して消え失せろ(笑)」

「ひえー(笑)」

男は老婆のこめかみに銃口を突きつける。

「馬鹿な真似はやめろ(笑)」

「車を用意しろって言ってるんだ(笑)」

「わかった、落ち着いて話をしよう(笑)」

一人の女性がパトカーから降りる。

「母さん(笑)」

「親を悲しませるもんじゃないよ(笑)」

「ち、ちくしょう(笑)」

「子供の頃、あんたあんなに優しい子だったじゃない(笑)」

男は拳銃を落とし、そのままゆっくりと外に出た。

「カ――ット!!」

キャップを被って椅子に座っている男が、カメラの向こうからメガホンで叫ぶ。

「お前らニヤニヤしてんじゃねぇぇぇぇ!!!」