M3春 後記「音楽を売るためにちょこっと心がけたりしたこと」

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4月29日に、東京流通センターで行われた音楽同人イベント「M3」にサークル参加してきました。
お23a「悪い奴ほどよく踊る」でCD三種を頒布してました。

当日お越しいただいた方はもちろん、演奏を手伝ってくれた方、デザイン全てを担当してくれた重荷呂無線さん、宣伝に協力してくれた方やDL版を購入してくれた方、話題にしてくれた方々に感謝です。

大げさなタイトルですが、実際に売れた数は旧作品が8枚、新譜が17枚という結果でした。
新譜は友人が事前に買ってくれたり、DL版の購入もあり、20枚分売れてます。
100枚用意してあったのですが、予想は「当日10枚、そこからじわじわ」だったので自分的には大満足の頒布数です。

今回は、宣伝をツイッターにしぼり、みなさんにまずは知ってもらう工夫をいくつかしました。
音楽的な話はツイッターでも何度かしたので、ここでは「売るために意識してしたこと」に的を絞って書いていこうと思います。
先に書いておきますが、売る努力はもちろんその先の「多くの人に聴いてもらうこと」「応援してくれた人に対してまずはわかりやすい数字(売上げ)での結果を出したい」「自分自身の創作へのモチベーションのため」などの、いろんなポジティブな理由へつながるものです。
「良い作品を作る努力」と「より売るための努力」はここでは別のものと捉えて、わりきって読んでいただくようにお願いします。




【1、ツイッター上に動画を埋め込んである程度の長さを試聴できるように】
リンクを踏んで別のページに飛ばなくても、一度のタップでそこそこの長さを試聴できるよう、歌詞や演奏している様子を動画にして貼り付けて何度もシェアしました。
音楽であること、DTMではなくて演奏していること、男が歌っていること、再生せずともここらへんがわかるような動画にしておきました。
スマホならワンタップで音が聴ける気軽さからか、今までよりも多く再生されました。
音を気に入ってくれた方は、実際にリンクからYouTubeのページに飛んでフルで聴いてくれました。
とにかく「どんな音楽か一目でわかり」「試聴する手間が少ない」方法を選びました。

補足になりますが当日ブースに、実際に曲にも使っているローランドのリズムマシーンを持って行きました。
いつも持って行っているのですが、今回はなぜかそれを見た方がよく声をかけてくれました。
そこから作品の話につなげ「現役なんですよ、実際に曲にも使ってるんでよかったら試聴どうですか?」と言って曲を聴いていってくれた方、それがきっかけで事前に全く知らなかったけど買っていってくれた方がいました。
あとアルバムジャケットを拡大コピーしたポップに「歌もの、テクノポップニューウェーブ」などの言葉を書いてあるだけで「テクノポップなんですか?」と声をかけてくれ、試聴して買ってくれた人も。
M3の、何百とあるブースを回る人にとって、聴く前にある程度中身の音が予測できる仕掛けというのはかなり大事ですね。
次はもっと何かできたらいいな。



【2、デザインを有償で依頼した】
今までのCDは、歌詞カードやCDの盤面にいたるまで、デザインを全て一人でやっていました。
今回は重荷呂無線さん(https://twitter.com/reknuleps)さんに安価ではありますが、報酬つきでお仕事として依頼しました。
記事トップにジャケットと盤面の画像を載せてます、可愛いでしょう。
「しか子」という重荷さんのオリジナルキャラです。その子のイメージソングを作ったのが今回のコラボのきっかけでした。

「しか子~Zombie girl~」

忙しい中、積極的に曲を聴き込んで世界観を把握してご自身なりに感じたことをトータルで表現してくれました。
当然ですが、僕がデザインしたものより格段に見栄えがよく「きちんと手が込んでいる」という印象を与えられたのかなと思っています。
有償であること、依頼してやってもらったという情報を公開したことで「それだけ気合入れて聴いてもらいたい(くらい出来に自信がある)」と思ってもらうためにやりました。

それに、重荷さんが積極的に宣伝をしてくれたこともあり、イラストが上がったあとに試聴動画の再生数がまた増えたりなどの効果もありました。
僕だけでは届けられない、違うコミュニティーの人にも聴いてもらえたというのがうれしかったです。



【3、値段を上げた】
商品の値段というのは、安ければ安いほど売れるものでしょうか?
それは比較する商品があった場合、機能やデザインよりも値段を判断材料にする人には手に取ってもらう理由になるでしょう。
でも音楽、それも同人というものには比較対象がありません。
言ってしまえば「僕は自分で作ったものに、これだけの価値を感じてこの値段を設定しました」と言い張れば無料でも一万円でも誰も文句は言えないのです。
イベントに来た人は「欲しいものを買うために(探しに)来ている」のです。
「安いものを探しに来ている」のではありません。

グランバザールは一枚千円です、今までのCDよりも少しだけ値上げ。
デザインにお金をかけたしクオリティも上がったと思う、シンプルに曲数も多く収録されている。
それ以上に「作者はこれだけ価値(千円)をこのCDにつけたんだな」という考えを買う側の人に思ってもらいたかったのです。
それはどんな宣伝よりも雄弁に「その値段分だけの自信がある」ということを印象付けるでしょうし、安心感を覚えて買ってもらうために必要な勇気でした。
「自分の作品なんて……」と、いたずらに値段を下げるのは必ずしも買ってくれる人にやさしい考えではないなと最近は思います。
堂々と「これだけの額(枚数)が売れた」というのは、応援してくれた人、携わってくれた人にも一番わかりやすく結果が伝わると思います。

作るのにかかった費用の半分は売上からまかなえました、本当に助かる……。
また作ろう、という気持ちがわいてきます。




まとめると
1、媒体に合った宣伝方法を考え
2、できないことは有償でやってもらいクオリティを上げ
3、その分自信を持って値上げをする

でしょうかね。
ちょこっとです、ほんのちょこっと心がけただけです。
音楽も頑張ったけど、今回は明確に「前より多く売る」という目標があったので、
きちんとそれが達成できたのは本当に嬉しいしあらためて感謝します!
もちろん、他にもまだまだできるのにやってないことはあったし、黒字までは到底届いてないですが、意図してやったことに効果があったことに手ごたえを感じられただけでも収穫でしょう。

次はもっと良いものを作って、もっと多くの人の手にお届けしたいですね。
長文になりましたが、ここらへんで。



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